接遇・おもてなし実践編
接遇の要は「相手の安心」を先に満たすこと。
言葉・所作・距離感が揃うと、“この人なら大丈夫”という信頼が生まれます。
受付・来客・電話・クレーム初期対応を、現場でそのまま使えるCA流の手順に落とし込みます。
1. 受付・来客応対(到着〜お見送り)
安心を作る順序は視線→笑顔→第一声→案内。名前確認は丁寧に、動作は一歩先回り。
- 到着の気配を察知し、3メートル先で笑顔・会釈。
- 第一声「いらっしゃいませ。ご予約のお名前を頂戴できますか」。
- ご案内:「こちらへどうぞ」→半歩先を歩く。
- 着席案内:椅子の背を軽く支え、手のひらで方向を示す。
- お見送り:出口の手前で最敬礼(45°)。
2. 電話応対(受け・取り次ぎ・不在)
- 3コール以内に出る:「お電話ありがとうございます。神戸エアライン・マナー学院でございます」。
- 要件確認→復唱→保留は許可を得てから:「少々お待ちくださいませ」。
- 取り次ぎ:「○○に代わります」/不在:「ただいま席を外しております。戻りましたら申し伝えます」。
3. クレーム初期対応(一次対応のフレーム)
初動の目的は「感情の温度を下げること」。事実確認はその後。
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傾聴:遮らず最後まで伺う(相づち・復唱)。
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共感:「ご不便をおかけし、申し訳ございません」。
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事実確認:日時・場所・経緯を短く整理。
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代替案:その場で可能な対応と、持ち帰り案件を切り分ける。
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約束:期限と連絡方法を明確にする。
よくあるご質問
名刺交換の順序は?
立位で先に差し出された方を受け取り、自社が目下の場合は両手で低い位置から。席次は入口から遠い側が上座です。
クレームで声が荒い方への最初の一言は?
「お声が届いております。まず状況をお伺いしてもよろしいでしょうか」。安全確保を優先し、遮らず傾聴します。
電話の保留時間はどのくらい?
目安は30〜60秒。長くなる場合は一旦戻り、現状をお伝えして了承を得てから再度保留にします。