育成就労制度に対応した“人材育成型マナー研修”

神戸エアライン・マナー学院 公式ブログ
神戸エアライン・マナー学院では、育成就労制度に対応した“人材育成型マナー研修” を提供しています。
外国人社員が日本企業に定着し、信頼され、共に成長していくためには、マナー教育と文化理解が欠かせません。
本記事では、その第一歩として 「電話応対マナー」 を取り上げます。
国際線客室乗務員として約20年の経験と、エグゼクティブカウンセラーとして延べ3,000人以上の人材育成に携わってきた実績をもとに、
外国人社員に伝えたい「日本文化に基づく信頼の第一声」について解説します。
電話応対は企業の「顔」
企業にかかってきた1本の電話──その第一声が、会社全体の印象を決めます。
名刺交換や訪問よりも先に、相手が出会うのは「電話口の声」。
わずか数秒で「信頼できる企業かどうか」が判断されてしまうのです。
日本は島国であり、昔から“和を乱さない”“相手を立てる”文化を大切にしてきました。
この国民性が、電話応対や名刺交換といったビジネスマナーに色濃く反映されています。
つまり電話応対は、単なる作法ではなく 日本の文化や心を体現するもの なのです。
外国人社員が戸惑いやすいポイント
• 「会社名+名前」を名乗る文化がない
• 「お世話になっております」の意味が分からない
• 電話を切るタイミングや受話器の扱いに慣れていない
• 日本語のスピードが速すぎて聞き取れない
👉✈️ 外国人社員にこれらを伝えることで、日本企業への信頼感と安心感が大きく高まります。
CA流・信頼を生む電話応対マナー【実践編】
電話応対は、企業の「顔」であり、相手との信頼関係を築く最初の接点です。日本特有の「尊重」「礼儀」「和の心」を体現するマナーを、以下のポイントで実践しましょう。
① 電話は3コール以内に取る
• 理由:相手を待たせないことは、日本の「尊重の文化」を象徴します。迅速な対応は、相手の時間を大切にしている姿勢を示し、信頼感を高めます。
• 3コール以内に取れない場合、最初に「大変お待たせいたしました」と一言添えることで、相手への配慮を明確に伝えましょう。例えば、忙しい時間帯でもこの一言で印象が大きく変わります。
• 実践例:電話が鳴ったら、業務中であっても一呼吸置いて落ち着き、3コール以内に受話器を取る習慣を身につけましょう。
② 第一声は「会社名+自分の名前」
• 例:「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社の△△でございます」
• 理由:明確な自己紹介は、相手に安心感を与え、企業のプロフェッショナリズムを印象付けます。
• 日本のビジネスでは、会社名と個人名を名乗ることで、組織の一員としての責任感を伝えます。
外国人従業員にとっては、フルネームをはっきり発音することが重要です。
発音が不明瞭だと相手が混乱する可能性があるため、ゆっくり丁寧に話しましょう。
• 実践例:事前に自分の名前と会社名を自然に言えるよう練習し、滑らかで自信を持った口調を目指しましょう。
③ 笑顔+落ち着いたトーン
• 理由:笑顔は声に温かみを与え、落ち着いたトーンは信頼感を醸成します。声だけで相手に好印象を与える心を届ける日本の接客文化の基本です。
• 電話では表情が見えませんが、笑顔で話すと声のトーンが自然に上がり、親しみやすさが伝わります。
特に、ストレスフルな状況でも安心感と冷静さを保つことで、プロ意識を示せます。
外国人社員は、日本語の抑揚や丁寧な語尾(「です」「ます」)に慣れる練習も効果的です。
• 実践例:電話に出る前に軽く微笑み、深呼吸してリラックス。声のトーンを意識的に柔らかく保ちましょう。
④ メモを取り、復唱する
• 理由:正確な情報を記録し、復唱することで、相手に「話をしっかり聞いている」という誠実さを示します。
• 日本社会のビジネスでは、聞き間違いや誤解を防ぐため、重要な情報(名前、日時、内容)を復唱することが一般的です。
外国人社員は、日本語のメモ取りに慣れていない場合、簡単なテンプレート(例:日付、相手の名前、用件)を用意しておくと効率的です。
• 実践例:相手の名前や要件をメモし、「◯◯様、△△の件でご連絡ですね」と確認。間違いがあればその場で訂正を依頼しましょう。
⑤ 電話を切るときの言葉は「失礼いたします」
• 理由:丁寧な締めの言葉は、日本の礼儀正しい文化を象徴し、相手に敬意を表します。
• 日本では、電話を終える際の丁寧な言葉遣いが、相手との関係を円滑に保つ鍵です。
「失礼いたします」はフォーマルで自然な表現ですが、状況に応じて「ありがとうございました」も適切な場合があります。
外国人社員は、相手のトーンや関係性に応じて使い分けられるよう、実際の会話で練習しましょう。
• 実践例 通話終了時に「本日はありがとうございました。失礼いたします」と穏やかに伝え、丁寧な印象を残します。
⑥ 相手が切ってから、静かに受話器を置く
• 理由:相手が先に電話を切るのを待つことは、相手を尊重する「和の心」を体現します。
• 日本では、相手を「立てる」ことが重要視されます。受話器を急いで置くと、相手がまだ話している場合に失礼にあたるため、2~3秒待ってから静かに置く習慣をつけましょう。
外国人社員にとっては、こうした細やかな配慮が日本のビジネス社会文化の特徴であることを理解することが大切です。
• 実践例:相手の声が完全に途切れたことを確認後、ゆっくり受話器を置く。慌てないよう、意識的に動作を緩やかにしましょう。
⑦ “ガチャ”と音を立てない
• 理由:受話器を置く際の音は、相手に雑な印象を与える可能性があります。細部への心遣いが信頼を築きます。
• 日本の接客では、動作の「静かさ」や「丁寧さ」がプロフェッショナリズムの指標とされます。
外国人従業員は、受話器を置く動作を意識的にゆっくり行うことで、この文化を体現できます。
また、ヘッドセット使用時も、マイクの切り忘れに注意し、背景音が相手に聞こえないよう配慮しましょう。
• 実践例:受話器を置く際は、両手でそっと持ち、音が立たないよう注意。電話機の構造に慣れるため、事前に練習しておくと良いでしょう。
これらのマナーは、日本の「相手を尊重する」「調和を大切にする」文化に根ざしています。
最初は慣れないかもしれませんが、繰り返し練習することで自然に身につきます。
ロールプレイングや先輩社員の対応を観察し、実際の場面で積極的に実践しましょう。
また、日本語の発音や丁寧語に自信がない場合は、簡単なフレーズから始めて徐々に慣れていくと効果的です。
企業の研修では、これらのポイントを具体的なロールプレイを通じて学ぶ機会を設けると、より理解が深まります。
まとめ
電話応対は「正しい言葉」を並べるだけではありません。
相手を大切に思う心を、一瞬で届けること。
外国人社員にこの視点を伝えれば、単なる作法を超え、
職場全体が「人を大切にする文化」へと育っていきます。
未来をつくるのは人。
そして、人を育てながら自らの心も磨いていく企業こそが、これからの社会で本当に選ばれていくでしょう。
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